2025の夏
月に一本はブログを書きたいから最近のできごとを書いておく。まとまりはないが書かないよりはよい。本当は8月中に投稿したかったけど、9月になってしまった。
『因果推論の科学 - なぜ?の問いにどう答えるか』
夏前から読んでた本。
因果推論という新しい統計的手法を解説した本。この分野の潮流として、「ドナルド・ルービン派」と「ジューディア・パール派」があるようで、この本は後者のパールさんが自ら書いたもの。数式を用いた議論はほとんどなく、一般の人も分かるように初歩的なことから書かれていてる。確率とは…、ベイズとは…、統計的手法とは…。この理論のベースとなる話題から書いてくれてる。因果推論だけでなくモンティ・ホール問題のようなキャッチーな話の解説もあり、とても興味深い。
ただ、一般の人向けだと言っても基本的な統計手法について知らないとそもそも面白さが分からないかなと思う。「統計学において、因果関係について語るのは禁忌である」という話も、それ自体を知らないと面白さが分からないかな。全体で700ページくらいある超大作だし、読みきれる人もなかなかいないだろうな~。
なお、自分はこの本を読むのを途中でやめた。著者のパールさん、なかなか攻撃的な文章を書いてて読むのが辛かった。自分が否定する統計理論へのバッシングがすごい。加えて、因果推論は科学史上の革命だ、みたいな発言が何度もあって読んでてうんざりしたので読むのをやめた。
自分はこの分野を語れるほど詳しくないし、もしかしたらパールさんの意見は正しいのかもしれない。新しい理論は基本的に主流派からは否定されるし、そういう対立は理論が発展していくうえでのお約束なんだけど、なんか必死すぎて読むのが辛くなってくる。パールさん自身はチューリング賞も受賞しているに、そんな必死に他者をバッシングしなくてもいいのになぁって思っちゃう。本人がこれまで相当主流派からバッシングされたっぽいからその裏返しなのかもしれない。
内容自体は面白かっただけにすごく残念な体験でした。
『すごい物理学講義』
職場の人に上の話をしたところ、その人もパールさんの本を読んでいて自分と同じ感想を持っていた。代わりに(?)、これ面白かったですよ~って紹介してくれたのがこの本。
この本自体はまだ読み終わってない。でも、先ほどの本と違って著者のスタンスがいい。読んでて不快にならないし、書き方が客観的でフェアだと感じる。
小さい頃から宇宙の話は好きだったから話自体もおもしろいし、最新の研究で「時間」がどういうものだと捉えられているのかを知るのは楽しい。みんな小さい頃に「時間ってなんだろう?」って考えるよね!この本は読み終わったら感想書こうかな。
『コンピュータシステムの理論と実装』
Nand to Tetris をやってる話の続き。

ちょっとずつ課題を進めている。論理ゲート作って、ALU 作って。半加算器、全加算機とかなつかしい。大学を思い出した。今はメモリ(RAM)まで作り終わった。一番悩んだのが Program Counter で、組み合わせ回路と順序回路を使って、計算と状態の保存を同時に行う回路を考えるのに少し頭を使った。
難易度はいまのところ大したことないな~っていう感じ。二部の言語を作るところは難易度が高そうではある。とはいえ、あくまで教科書だから、それまでの課題で作ったビルディングブロックの上で問題が解けることが確実であり、そこを固定して考えていけばよい。そうすると、考えるべき問題の空間が広くないから大して時間を使わなくても大丈夫。
結局、一番難しいのはこれをやるために教科書を開くところである。お盆休みもあり、なかなか時間取れなくて再開するまで時間がかかってしまった。今年度中に全部終わるといいなという感じの進捗かな。どうなることやら。