電験三種の勉強をしている
電験三種を勉強してる。

正式名称は第三種電気主任技術者試験。合格すると「第三種電気主任技術者免状」が保有できて、高電圧の電気設備の保安監督業務ができるようになる資格(三種は5万ボルト未満 😄)。6月から勉強を始めてひたすら過去問を解く毎日。7月くらいにブログにしようと思って少し書いたまま放置し、気づけば11月になってしまいそうだ。かれこれ5ヶ月くらいは勉強を継続してきて、改めて勉強をはじめたモチベーションを書いておこうと思った。
なぜ、ソフトウェア畑の自分が電気の資格勉強を始めたのか。
ソフトウェアのゲームは変わった
去年は nand to tetris のハードウェア部分(前半)をやってはいたけど、結局、そこまで心をくすぐるものはなかった。ある程度の基礎知識があるから単に隙間を埋めるくらいのものに落ち着いてしまった。結局、後半の OS や言語処理系を作る部分に手が出ることはなくて今に至る。再開しようともあまり思わないし、ある程度道筋が想像できるから大きなワクワクもない。Coursera でいろんな講座をやってきて、そういうのは何度か通ってきたのもあるし。
それに、ソフトウェアのゲームはこの一年で明らかに変わった。前回の記事に書いたけど、コードを書くことはもう完全にゼロになった。この半年、本当に自分で書いたコードはゼロ。コーディングエージェントは賢く、私が細かなロジックを考える必要がなくなったし、複雑な既存のコードを把握して、適切なコードを生成してくれる。複雑な条件文や制御フローを考えるのは彼らの役割であり、私の役目はビジネスの文脈と経験に基づく知見を伝え、彼らの進む方向をガイドすることだ。
細かな部分を気にせず全体の方向性を与えて、時には少し軌道を修正してあげて、自分が手を動かさずとも圧倒的な速さでモノが出来上がるさまを見るのは楽しい。ただ、明らかに、細かなロジックを考える理論的な能力を使う機会は減ってしまった。それがこれからの正しい役割分担だとしても、そういう細かなパズルのような楽しみを、コーディングやデバッグから得ていたのも事実だったし、それがなくなって仕事の楽しみや達成感の一部が失われていたのは間違いなかった。
それを補う意味で、細かなロジックや理論的な能力を発揮する機会として何か理論的な勉強をしたいと感じていた。
電気を選んだ理由
なぜ電験を選んだのか。
シンプルにソフトウェアの次に興味がある領域だったからかもしれない。小さいころ電気には興味があった。家にあったテスターで乾電池の電流や電圧を計測した記憶がある。高校時代も化学よりも物理を選んだし、大学も電磁気学(教養科目だけど)は得意だった。それに父が電気主任技術者としてずっと働いているのを見て育ったのも大きいだろう。
電験三種の試験は四科目あり、「理論」、「電力」、「機械」、「法規」だ。それぞれの出題分野の詳細はここには書かないが、もともと数学と電磁気学は好きだったから「理論」は想像通りの内容だった。オームの法則やクーロンの法則の世界。「機械」は四機(直流機、誘導機、同期機、変圧器)を主として幅広い工学分野から出題される。制御もここに入ってる。初めて学ぶことがほとんどだったけど、どこかベースは大学の科目を学習している感覚があった。情報も機械科目の中にあるけどさすがに勉強しなくてもほぼ全問正解できて少し安心した笑。
「電力」が完全に未知の世界だった。発電、変電、送電、配電、受電。水力発電の方式から、電柱に設置されてる設備の名称、電線ケーブルの素材まで出題範囲が幅が広いうえに全てが初見。何もわからないが見たことがある設備の意義や仕組みが理解できる瞬間の楽しさはたまらない。そこらへんにある電柱をよく見ると1番上は3本の電線がかかってるのは三相3線だから。
それに、さまざまな発電所で発電された電力を壮大な送電網を通して、工場やビル、店舗や家庭に電力を届けて、それを24/365で維持するシステムには脱帽でした。
キャリアの可用性
ここまでに書いたように半分は知的な好奇心を満たすための勉強ではあるけど、半分はもう少し現実的な理由がある。ソフトウェアのキャリアも15年を超えてきて、年齢もいい年になってきた。そろそろキャリアに可用性を求める気持ちが出てきた。知的好奇心を満たすためなら数学や物理をやる法がきっと効用は高いけどあえて国家資格試験の電験を選んだ。厳密には業務独占資格ではないけど、この資格がなければできない仕事があるという意味では業務独占資格にかなり近い。ソフトウェア業界を去るつもりはまったくないが、10年後くらいに電気主任技術者免状が役に立つ時が来るかもしれない。
それにこの年でそれなりの難易度の試験に合格できる能力がまだ自分にあるのかを確かめたかった。もともと資格をほぼ取ったことがなく、取った資格は FP 3 級くらいかな。Google Cloud の Professional 資格も取得したけど本職すぎて勉強をして取得した感覚はない。
電験は一種、二種、三種があり、今目指しているのは一番簡単な三種だけど、600 ~ 1000 時間程度の勉強が必要だと言われている。子育て中で未経験分野の国家資格を取る能力があるかどうか。ちょっとしたチャレンジにも気持ちもある。
今はまず2027年の2月にある「令和8年度下期試験」での三種の一発合格を目指している。電験は科目合格制度があり、一科目だけ不合格でも次の試験でその科目をパスすれば合格。でも、できれば一発で合格したい。そして、そのあと一年半かけて電験二種までいってみようと考えている。二種は1次試験に加えて記述式の2次試験もある。受験者数も電験三種が年間 4.9 万人が受験して合格者は約 6300 人。二種は年間 7000人が受験して最終合格者(二次試験合格者)がたった 600 人。でも、せっかくならそれくらいは勉強してみたいなと今は思ってる。
知らないことばかり出てくるし、いい年齢になってから未経験とはいえ「難易度:☆」のような問題で不正解が続くとそれなりにメンタルにくる。が、それはそれで求めていたものだったりする。5か月間、一日で勉強に使える時間は多くないけど、ほぼ休まずに勉強が続けられているということは、すでに当初の目的の半分である「知的好奇心を満たす」は達成しているのかもしれない。
