2025年の冬
今年ももう終り。読んだ本などのメモ。
『三体0【ゼロ】 球状閃電』
これまでに三体シリーズの Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ はすでに読んでいて、また三体っぽい重めの雰囲気の小説が読みたいと思っていたところ、三体シリーズの前日譚という触れ込みで Amazon のおすすめに出てきたから手に取ってみた。
著者は三体シリーズと同じ劉慈欣。出版の時系列としては、原著は劉慈欣が三体を執筆する直前に出版されていて、三体の人気に火がついたことで日本語訳が最近になって出版された。原著は三体の出版前なので「球状閃電」であり、「三体」というワードはまだない。とはいえ、舞台は中国で描かれる世界観は三体Ⅰに近いものがある。三体に登場する丁儀が主要キャラクターとして出てくるし、「三体Ⅰ」の後半で丁儀が語る「マクロ原子」のシーンへと繋がるストーリーが描かれている。
三体人は出てこないし、宇宙の話ではないから舞台としての三体と同じものを期待すると裏切られた気持ちになるかも。でも、私はストーリーはまさに三体の「ゼロ」としてのものを感じたし、描かれる世界観やミステリー的な要素は期待通りだったし、原著者もこのタイトルを快諾してくれたようだからぜんぜんありだと思った。このタイトルへの中国読者の反応も概ねよかったようだし。
とはいえ、この文量のシリーズを四作も読んでると「知性的で魅力的なヒロイン」と「さえない理系男性」な組み合わせはもういいかな笑。三体 X は読まなくていいかな。最近、三体 Ⅰ と同じ頃に読んだ『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が映画化されていて、特報のYouTube を見たときに、
陽キャのアンディ・ウィアー(ヘイルメアリーの作者)はプロジェクト・ヘイル・メアリーを書いてたけど、陰キャの劉慈欣は黒暗森林を書いてた。
ってコメントがあって、個人的にかなりツボだったw。でも、この陰感が三体たる所以だよね。、
『平等について、いま話したいこと』
ピケティとサンデルの対談内容を本にしたもの。サンデルの本は数年前に読んだ『実力も運のうち - 能力主義は正義か?』が面白くて、ここ数年の自分の考え方にかなり影響を与えていたし、ピケティの本もそろそろ読みたいと思っていたので、ちょうどいい感じのこの本を読んだ。年が明けたらピケティの『平等についての小さな歴史』を読みたい。
メリトクラシー、格差、社会の分断などについての議論があるけど、お互いが『これについてはどう考えてるの?』と疑問を投げ合う感じなので、深い議論までは辿りついてない。「脱商品化」って考え方を初めて知ったけど、この考え方は面白いなと思った。私はそろそろ40歳になるけど、だんだんとサービスや商品に経済合理性を持たせる世界への変化を感じながら育ってきたわけで、それを正とする感覚が自分の中にあった。でも、はたしてそれは社会にとってそれはいいことなのかっていう議論は面白い。過去 100 年くらいのデータをちゃんと見れば、社会保障の分野での脱商品化がうまくいってきた、とピケティが言うとけっこう説得力はあるのかも。
ピケティってかなりラディカルな社会主義者なんだなーと思った。彼みたいなデータで武装した社会主義論者が語る理想の世界みたいなのはおもしろい。サンデルの方はより合意を重視する姿勢で、バックグラウンドが経済学者なのか哲学者で同じ方向性を目指していても、観点が違うんだね。
『コンピュータシステムの理論と実装』
NAND to Tetris。第一部まで終わった!今年中に第一部まではできた。よき。
前回から CPU アーキテクチャを作るところと、アセンブラを作るところをやった。2つともとくに難しさは感じなくて、CPU アーキテクチャの方はこれまで作成してきたブロックをつなぎ合わせるだけだった。シュミレーターが優秀でデバッグとかも楽々。
アセンブラの方はアセンブリを機械語に翻訳する部分を作るってことで、これはもう Coursera とかで似たような何回もやってきたパターンで、高級言語でさくっと作った。
ページ数では35%くらい?ってところなので、第二部の方が本番って感じですかね。